2025.07.31

【歯周病治療】放置するとどうなる?早期治療の大切さ

こんにちは。岡山市南区福浜町の髙知歯科医院、院長の髙知信介です。
みなさんは「歯周病」という言葉を耳にしたことはありますか?
「歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」――そんなサインを見逃していませんか?
実は日本人の成人の約8割が歯周病にかかっているとされ、国民病ともいえる疾患です。しかも、初期には痛みがないため、知らず知らずのうちに進行してしまうのが特徴です。

この記事では、歯周病を放置するとどうなるのか、なぜ早期の治療が重要なのかをわかりやすく解説します。

目次

  1. 歯周病とは?

  2. 歯周病の進行段階と症状

  3. 歯周病を放置するとどうなる?

  4. 歯周病と全身の健康への影響

  5. 早期治療のメリット

  6. 当院での歯周病治療の流れ

  7. 自宅でできる歯周病予防法

  8. まとめ

1. 歯周病とは?

歯周病とは、歯を支える組織(歯ぐきや歯槽骨)が細菌によって破壊される病気です。
お口の中には数百種類の細菌が存在しており、歯みがき不足などでプラーク(歯垢)が溜まると、歯周病菌が繁殖して歯ぐきに炎症を引き起こします。

初期段階では「歯肉炎」と呼ばれ、歯ぐきの腫れや出血が見られますが、進行すると「歯周炎」となり、歯を支える骨が溶け、最悪の場合には歯が抜け落ちてしまいます。

2. 歯周病の進行段階と症状

歯周病は自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行してしまいます。以下のように段階的に悪化します。

● 歯肉炎(軽度)
前歯の歯肉炎

・歯ぐきが赤く腫れる
・歯みがきや食事で出血する
・痛みはほとんどない

● 軽度歯周炎

前歯の軽度歯周病

・歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)が深くなる
・出血しやすくなる
・口臭が出始める

● 中等度歯周炎

前歯の中度歯周病

・歯槽骨の破壊が進む
・歯がぐらつき始める
・歯ぐきが下がる(歯が長く見える)

● 重度歯周炎

前歯の重度歯周病

・歯槽骨が大きく失われる
・歯が大きく動く、痛む
・自然に歯が抜けることもある

3. 歯周病を放置するとどうなる?

歯周病を「ちょっと歯ぐきが腫れてるだけ」と放っておくと、以下のようなリスクが高まります。

■ 歯を失う可能性がある

歯周病は歯そのものではなく「歯を支える土台」を壊します。そのため、虫歯のように歯が痛むことは少なく、気づいた時には抜歯が必要なほど進行していることもあります。

■ 他の歯にも悪影響

1本の歯が動くと、かみ合わせが乱れ、他の歯にも負担がかかります。結果として、連鎖的に複数の歯を失うリスクがあります。

■ 治療期間・費用が増える

重度の歯周病になると、歯周外科手術や抜歯後のインプラント、入れ歯などの高額治療が必要になる場合もあります。早期の治療であれば、クリーニングと生活習慣の改善だけで治せることも多いです。

4. 歯周病と全身の健康への影響

歯周病は「お口の中の病気」だけではありません。近年の研究で、以下のような全身疾患との関連が指摘されています。

  • 糖尿病:歯周病の炎症物質がインスリンの働きを妨げ、血糖値のコントロールを難しくします

  • 心筋梗塞・脳梗塞:歯周病菌が血管に入り、動脈硬化を進行させるリスク

  • 誤嚥性肺炎:高齢者では、口腔内の細菌が誤って肺に入ることで肺炎を起こす

  • 早産・低体重児出産:妊娠中の歯周病が、胎児の健康に影響する可能性もあります

  • 認知症:最近では、歯周病菌が脳に影響を及ぼす可能性も研究されています

5. 早期治療のメリット

歯周病は「静かに進行する病気」であり、早く気づいて早く治療すれば、ダメージを最小限に抑えることができます。

◎ 治療がシンプル・短期間で済む

歯石除去やブラッシング指導など、比較的簡単な処置で改善が期待できます。

◎ 自分の歯を守れる

インプラントや入れ歯はあくまで「代替手段」。自分の歯を残せるに越したことはありません。

◎ 全身の健康維持にもつながる

特に糖尿病や心疾患をお持ちの方には、歯周病の早期発見・治療が健康管理の一環となります。

6. 当院での歯周病治療の流れ

髙知歯科医院では、患者さんの状態に合わせて丁寧な歯周病治療を行っています。

① 初診・検査

・歯周ポケット測定
・口腔内写真
・レントゲン撮影
・位相差顕微鏡による細菌確認

② 説明とカウンセリング

検査結果をもとに、現在の状態と治療計画をわかりやすくご説明します。

③ 初期治療(プラーク・歯石の除去)

歯科衛生士によるスケーリング(SRP)で細菌を徹底的に除去します。

④ 再評価・必要に応じて歯周外科治療

改善が見られない場合は、外科処置(フラップ手術など)を検討します。

⑤ メインテナンス・定期管理

治療後も再発予防のために、定期的なチェックとクリーニングを行います。

7. 自宅でできる歯周病予防法

日々のセルフケアが何より大切です。以下のポイントを参考にしましょう。

  • 正しいブラッシング:歯と歯ぐきの境目を意識して磨く

  • 歯間ブラシ・フロスの使用:歯と歯の間の汚れも忘れずに

  • 規則正しい生活習慣:喫煙・ストレス・睡眠不足は歯周病のリスクを高めます

  • 定期検診の継続:3ヶ月〜半年に1回はプロのケアを受けましょう

8. まとめ

歯周病は、放置することで歯を失うだけでなく、全身の健康にまで悪影響を及ぼす病気です。
しかし、初期の段階で発見・対処できれば、回復は十分に可能です。
「なんとなく歯ぐきが気になる」「以前より口臭がある気がする」――そんな違和感を放置せず、まずは歯科医院で相談してみてください。

髙知歯科医院では、患者さん一人ひとりに合わせた丁寧な歯周病治療を行っています。
気になる症状がある方は、ぜひ一度ご来院ください。

執筆:髙知歯科医院 院長 髙知信介(日本歯周病学会認定医)

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