こんにちは。岡山市南区福浜町の髙知歯科医院、院長の髙知信介です。
「最近、噛む力が弱くなった気がする」「歳をとっても自分の歯で食事を楽しみたい」と感じたことはありませんか?
実は、“お口の健康”は“全身の健康”と深い関係があります。今回は、予防歯科の視点から、健康寿命を延ばすためのお口のメンテナンス術をご紹介します。
多くの方は「歯医者=歯が痛くなったら行くところ」と思っていませんか?
しかし現在では、「歯が痛くならないように通う」という予防歯科の考え方が世界的に主流になっています。
むし歯や歯周病は細菌による感染症です。初期段階ではほとんど自覚症状がありませんが、知らないうちに進行し、歯を失う原因になります。
特に日本人が歯を失う最大の原因は「歯周病」であり、40代以上の約8割がかかっているとも言われています。
お口の中の細菌は、歯ぐきの炎症(歯周病)によって血管に入り込み、全身に影響を及ぼすことがあります。
最近の研究では、以下のような全身疾患との関連が報告されています。
糖尿病(相互に悪化させる関係)
心筋梗塞・脳梗塞
認知症
誤嚥性肺炎
骨粗しょう症 など
つまり、お口のケアは全身の病気の予防にもつながるのです。
では、どのようにしてお口の健康を守ればいいのでしょうか?
以下の3つが予防歯科の基本です。
・歯ブラシは1日2回以上
・フロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間も清掃
・磨き残しをチェックするための染め出しもおすすめ
・3〜4ヶ月ごとの定期検診
・プロによる歯石除去(スケーリング)やバイオフィルム除去
・むし歯や歯周病の早期発見
・ダラダラ食べを避ける
・バランスの良い食事で唾液分泌を促す
・禁煙(タバコは歯周病の大敵)
日本では「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という8020運動が推進されています。
20本あれば、ほとんどの食べ物を自分の歯で噛んで楽しめると言われています。
この目標を達成するためにも、早めの予防と継続的なメンテナンスがカギになります。
「まだ痛みがないから」「忙しいから」と後回しにしてしまいがちなお口のケア。
しかし、症状が出てからでは治療も大がかりになり、治療費や通院回数も増えてしまいます。
定期的なメンテナンスで、痛い・怖い・高い治療を減らすことができるのが、予防歯科の魅力です。
当院では、専任の歯科衛生士によるクリーニングや、位相差顕微鏡を使った細菌チェックなど、予防に力を入れた診療を行っています。
ご自身の口の中の状態を「見える化」し、一緒に改善していくスタイルです。
「自分の歯で一生食べる」ことを目指して、今日から予防を始めませんか?
執筆:髙知歯科医院 院長 髙知信介(日本歯周病学会認定医)